2021年3月終わり。
去年末から例のウイルスが猛威を振るっている。
大学2年生の長い長い春休みはそろそろ終わりが迫ってきた。
この春休み、自転車にほぼ乗っていない。
このまま終わって良いものか。
いや、良くない。
というわけで、去年からドはまりしている日本神話、古事記の舞台を巡ってくるとしよう。
今回は、サンライズと新幹線で下関まで行きひたすら海岸線を北上する。
そして秋吉台、石見銀山を経て出雲大社へ走って行く計画だ。
意外とテント場も多そうなのでとりあえず行ってみる。
4月1日夜21時45分
10分出発時刻が早くなったサンライズ出雲号に乗り込む。
アルバイトが夕方まであり、結局ギリギリになってしまった。
詳しい行程は車内で考えよう。
何度乗ってもこのわくわく感はたまらない。
今回も去年と同じで一応感染対策でソロ席を予約しておいた。
静かに東京駅を出発し、都会のビルの中を進んで行く。
これから旅が始まる。。
期待と少しの心配が混ざったこの感覚は癖になってしまう。
のんびり車窓を眺めていると、自然と眠りについていた。
・・・・朝だ。
車内アナウンスが鳴り、あっという間に岡山に到着する。岡山駅でで降り、「こだま 博多行き」に乗車し下関へ向かう。
サンライズと接続しているのぞみは下関には止まらないので2.30分ほど待つことになる。
東海道新幹線ではもう運用していない700系のひかりレールスターに当たりちょっぴり幸せな気分。
下関へ到着し輪行解除だ。
今回は新しくシマノプロの大型サドルバックと天下のApiduraのフレームバック、そしてBB下にツール缶を導入した。
デッドスペースがほぼなくなり、荷物が分散できてかなり良い感じだ。
ではでは走行確認もできたので早速走り始めるとしよう。
いろいろ新しい装備が多く、ニヤニヤが止まらないぜ。
まずは本州最西端「毘沙の鼻」を目指す。
自転車乗りあるあるかもしれないけど、端っこに行きたくなってしまうのだ。
その端っこに行くにはアップダウンと激坂が待っているのが毎度の流れだけど。。
来たぜ。。本州最先端。。。(満身創痍)
久しぶりの自転車にあの激坂、参ってしまうよ。
やはり端っこなだけあって何もない。
ぼーっと海岸線を眺め、遠くに来てしまったのかと感傷に浸ってみる。
天気は快晴。
多少霞はあるものの絶好の自転車日和だ!
と、この頃は思っていた。
パッキングもいい感じだ。
青い海!青い空!青い自転車!良いっ!!(自転車バカ)
沖にある蓋井島が見える。
なんてことない田舎道を走ってゆく。
東京ではありえない景色だ。
のどかでゆっくりと時間が過ぎているのような感覚、とても好き。
田んぼゾーンも終了し、海沿いの道を走り抜けて行く。
風も今のところ味方してくれて快適に山口を楽しめている。
気持ちよく海を眺めながら走っていると、大きな朱色に染まった鳥居と激坂が唐突に表れた。
絶景の神社じゃないですか。
海沿いの高台にあるこの福徳稲荷神社。
絶景の神社と江戸時代から景勝地として多くの人で賑わっていたそうだ。
海沿いに赤い鳥居があるのは初めてのの光景だが、想像以上に映えて美しく感じる。
御朱印を頂いてピッカピカの境内を散策をすませ、次に進めるとしよう。
恐らく20度以上もある激坂を下り、海岸線の道を進んで行く。
追い風ヒャッハー状態で35km/h巡航を進めること30分。。。
道の駅北浦街道豊北に到着だ。
やたらGoogleMapで評価が高く、口コミ件数も多いので昼食をかね寄ってみることに。
食堂では観光地価格で思わず驚いてしまったが、ふぐという文字につられフグ天丼を注文。
~~~待つこと数分~~~
出来立てアツアツ衣サクサクフグの素晴らしい触感。
これは、、、、シンプルに旨いっ。。
またもう夏かと思わせるほど暑く、汗をかいた後に飲む味噌汁、漬物の塩分が体に入ってくる。
味噌汁もお代わり自由で結局3杯も頂いてしまった。
海を眺めながら食事もでき空調も効いていて快適な環境で食事をすることができ幸せである。
お腹も無事満たし、いよいよ今回の旅の最初のメイン?の角島大橋へ向かうとしよう。(晴れてよかった)
おいおいおいおい!!綺麗すぎるだろぉ!!
エメラルドグリーンに染まった海を架けるまっすぐに伸びた角島大橋。
こんなにも美しい場所があるのか。。
美しい海をぶち抜いているこの橋、、、走ってみたいでしょー?
(自転車乗り)うん走りたーい!
行きますよー!!
せーのっ!
ボォボォボボボボォォォォ!!!!!カンカンカンカン!!!!
あぁ~!!爆風の音ォ~!!!
うきうきランランで走りに行った角島大橋、あまりにも横風が強すぎで景色どうこうの話ではない。
まっすぐ走っていると風でハンドルが海側へ持っていかれてしまう。
もはや恐怖だ。
命の危険を感じながらやっとの思いで角島へ上陸。
基本的に角島には何もないが角島灯台というまたもや端っこの象徴みたいなものがあるので一周がてら寄ってみる。
残念ながら強風のため灯台に上がることができなかったが、対馬や韓国が見えるか海を眺めてみた。(もちろん見えない)
のどかな海沿いを爆風に煽られながらのんびり走る。
角島はアップダウンが多くあり、風と相まって地味にハードなコースとなった。
風も強くとんでもないコンディションだが、綺麗な青い海の前では負の感情などすべて吸い込まれ最高だった印象しかない。
地獄の橋を渡るか。。
外から橋を眺めている分には綺麗で良いんだけどなぁ。
名残惜しくもこの綺麗な海とはお別れし、東へ脚を進めよう。
いざ絶景の神社「元乃隅神社」へ!
萩まで伸びている国道191号は山陰本線と並走していて、運が良いとキハ40がディーゼル音を響かせ一緒に走ることができる。
林の中を走り、特段見どころもなくも元乃隅神社の近くまで来てしまった。
今回は千畳敷キャンプ場に宿泊予定。思っていたが、やはり周りに何にもない。。
これからかなり登らなくてはいけないが、夜と朝の分の食事をコンビニで買いこんでおこう。
登ってきたぜ。。。。(タヒにそう)
ひんやりと森林の中をひたすら登っていくと、唐突に視界が広がり、棚田が街へ向かって伸びている。
こんな景色を知ってしまうと坂は楽しくてしょうがない。
ザ・田舎の景色を求めて私は自転車に乗る。
しかし登っても元乃隅神社のある場所は海の近くだ。
そして千畳敷キャンプ場は標高300mくらいある。
つまり体力的なタヒが待っている。
悲しみのダウンヒルをこなし、いよいよ絶景の元乃隅神社だ。
はぁ。。。
夕刻日も傾き始め、観光客もほぼいない。
静かな境内、絶景をほぼ独り占めだ。
東京から1000km近く離れた場所に今自分がいる。
なんとも感慨深い。
残念ながら例のウイルスの影響で鳥居の下をくぐることはできなかったけれども十分すぎるほど幻想的だ。
日本海の荒波の飛沫がやってくる。
竜宮の潮吹というV字型の岩に波が打ち付けることで潮が空高く上げられる場所もあり、風も潮も全身で浴び、日本海の洗礼をしっかりと受けた。。
しかしなぜ元乃隅稲荷神社ではないのだろう。
日本の絶景神社31に選ばれた元乃隅神社、人がほぼいない静かな場所だった。
とても寂しく力強さを感じる良いところだ。
元乃隅神社に別れを告げ、本日の最終目的地「千畳敷キャンプ場」へ。
・・・・・きつすぎる。。。
元乃隅神社から千畳敷キャンプ場までの標高差は300mくらい。
300mくらいなら30分あれば着くでしょーと、考えていた。
普段の坂であれば大したことはないのだが、問題は斜度だ。
余裕で10%を超え、直線でところどころ20%に近い数値をサイコンが叩き出している。
バイクパッキング装備でいつもより荷物も重く、斜度の逃げ場がない直線の登り。
結局時間以上に坂と格闘してしまった。
はぁ、、はぁ、、、。。。。。
やっとの思いで畳千畳の広さを持つ千畳敷に到着だ。
良いじゃないですか。
太陽は沈んでしまったが、十分眺めはよさそうだ。
明日の朝日に期待しよう。
やはり海沿いの高台だけあって風はかなり強い。
垣根の近くにテントを張り、汗だくの着替えを乾かさなければ。
その後はコンビニで買ったおにぎり、ピザパンを遠くに輝く街並みを眺めながらのちょっと贅沢?なディナーとなった。
お腹も満たされ寝袋に横になると、意識がなくなるまで時間はかからなかった。
つづく。
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